令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「おかしいか?」


慌ててそう聞いたら、


「ううん、そんな事ない。今日の悠馬さんも素敵よ?」


と栞は言ってくれた。その笑顔を見ると、無理して言ってるのではないと思う。俺はホッとしつつ、そう言えば栞もいつもと感じが少し違う事に気付いた。


「そういう栞もいつもと違うぞ?」

「そう? 私も美容院に行って、少しカットしてもらったの。おかしくない?」


ああ、そういう事か……。立ち止まって栞の髪を見たら、確かにいつもよりもより綺麗に整い、長さも少し短くなっていた。


「いつも通り可愛いよ」


そんな俺らしくもない言葉が自然と口から出てしまい、俺は照れ臭くなり前を向いて歩き始めた。

栞もまた、「ありがとうございます」と言って恥ずかしそうに俯き加減になった。


俺は何やってんだろうか。栞に対する想いは無理に否定しないと決めはしたが、こんな事をしてたら肝心の復讐を忘れちまいそうだ。

そんな自分を戒めるかのように、

「ところでさ、本当に吉田泰造さんも来るのか?」

と、俺は仇の名を口にした。