「ところでさ、本当に吉田泰造さんも来るのか?」


不意に悠馬さんは言い、私は「はい」と即答した。だって、そもそもお祖父様が言い出したのだから、来ないはずはないもの……


すると悠馬さんは、「そっか」と言い、繋ぎ合わせた手にギュッと力を込めた。


「悠馬さん、緊張してる?」

「ああ、少しね。有名な吉田泰造さんと直に会うと思うと、やっぱりね……」


実は私も緊張している。

悠馬さんを私の家族に紹介するにあたり、パパやママについて私は何も心配してないのだけど、もしもお祖父様が悠馬さんを気に入らなかったらどうなるのだろう。

私は悠馬さんと引き離され、俊樹さんと無理やり結婚……!?

そんなの、イヤ!


私は、悠馬さんの手をギュッと強く握り返した。そして、これから先もずっとこの手を離したくないと思った。

たとえこの先、二人に何が起きようとも……