令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

お祖父様は俊樹さん達をお見送りに行き、広い客間に今は私達家族三人しかいない。


「え? 私ははっきりとお断りしたつもりだけど?」

「栞はそのつもりでも、相手に付け入る隙を与えてしまったみたいよ?」

「そうかなあ……」


でも、直後の俊樹さんの言動を考えると、確かにそうかもしれない。私は俊樹さんやご両親に気兼ねして控えめな言い方をしたのだけど、もっとストレートに拒絶すればよかったんだわ……


「俊樹君って、ああいう奴だったのか……。意外だったなあ」


パパが深刻そうに低い声で呟いた。


「彼は、これ以上話すとその“隙”が無くなると判断し、さっさと退散したわけだ。かなり悪知恵が働く奴だな。しかし相当に腹を立ててたらしく、去り際に栞を睨んだ目付きは怖いぐらいだった」


それには私も深く頷いた。今日の事で私の俊樹さんを見る目は大きく一変した。

今まで、私の俊樹さんへの印象は優しいお兄さんみたいな人だったけど、今は……怖い人。

ところが、

「私は意外でもないけどね」

と、ママは平然とした口調で言った。