令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

私がどう答えればいいのか迷っていたら、それを待たずに俊樹さんはスクッと立ち上がった。


「では、今日のところはこれで失礼させていただきます」


俊樹さんがそう言って私達にお辞儀をすると、俊樹さんのご両親は慌てたご様子で立ち上がり、同じく私達にお辞儀をした。


「早川さん、昼食を用意してますので、それからでも……」


すかさずお祖父様はそう言ったのだけど、


「僕はこの後用事があるものですから、申し訳ありませんが失礼させていただきます」


そう言って俊樹さんは再度お辞儀をし、私を一瞥してさっさと部屋を出て行ってしまった。ご両親は困ったようなお顔をしながら、俊樹さんの後を追うようにしてお帰りになった。


しばしの沈黙を破ったのは、


「もっとはっきりお断りすればよかったのに……」


というママの呟きだった。