「報告も何も、栞から聞いたのはつい先日ですし、私はまだ彼に会ってもいませんから……」
パパは憮然としながらそう言ったのだけど、
「馬鹿者!」
再びお祖父様は吼えた。
「おまえは会ってもいない、つまりどんな人間かも分からない男と、栞が付き合うのを黙って見ているのか? 栞にもしもの事が有ったらどうするつもりだ?」
「お言葉ですが、栞はもう子どもではありません。私は栞を信じています」
「何を言うか! 栞はまだ二十歳にもならない子どもだ。ましてや今まで女子高ばかりで男に対する免疫が出来てないはずだ。わしや俊樹君でさえ心配しとるというのに、親であるおまえや葉子さんが心配しないでどうする!?」
「お父様、私も亮ももちろん心配はしています。ですが、亮も言った通り、私達は栞を信用しています。栞にはきちんと分別がありますし、男の子を見る目もあると私は思っています。お父様は栞を信用していただけないのですか?」
「ムッ、それは……」
「ちょっと、よろしいでしょうか?」
ママの剣幕にお祖父様が口ごもったところで、今まで無言だった俊樹さんが初めて口を開いた。
パパは憮然としながらそう言ったのだけど、
「馬鹿者!」
再びお祖父様は吼えた。
「おまえは会ってもいない、つまりどんな人間かも分からない男と、栞が付き合うのを黙って見ているのか? 栞にもしもの事が有ったらどうするつもりだ?」
「お言葉ですが、栞はもう子どもではありません。私は栞を信じています」
「何を言うか! 栞はまだ二十歳にもならない子どもだ。ましてや今まで女子高ばかりで男に対する免疫が出来てないはずだ。わしや俊樹君でさえ心配しとるというのに、親であるおまえや葉子さんが心配しないでどうする!?」
「お父様、私も亮ももちろん心配はしています。ですが、亮も言った通り、私達は栞を信用しています。栞にはきちんと分別がありますし、男の子を見る目もあると私は思っています。お父様は栞を信用していただけないのですか?」
「ムッ、それは……」
「ちょっと、よろしいでしょうか?」
ママの剣幕にお祖父様が口ごもったところで、今まで無言だった俊樹さんが初めて口を開いた。



