「お、おい。泣くなよ」

「す、すみませ……ヒック」


やだ。本当に泣けてきちゃった……


「店長に聞いてみるから、泣くな。1パーセントの可能性もないと思うけど、決めるのは俺じゃないから、ダメ元で聞いて来るよ」


「でも……」

「ちょっと待ってて」


そう言い残し、悠馬さんは立ち上がると店長さんへ向かって歩いて行った。

もう……何が“毎日がデート計画”よ!
私のバカ!


悠馬さんと店長さんは何やら話し合ってるようだけど、どうせダメに決まってる。世間知らずの自分が情けなく、恥ずかしくて逃げ出したい気持ちだった。


数分後、悠馬さんは私のところへ戻って来たけど、なんか様子がおかしい。椅子にドスンと座り、「信じらんねえ」と呟いた。


「悠馬さん……?」

「雇うってさ」

「えっ?」

「ただし時給は俺の半分だそうだ」

「ほ、本当ですか!?」

「ああ。でも時給が……」

「それは構いません。うわあ、嬉しい!」


私は思わず立ち上がると、店長さんに深々とお辞儀をした。顔を上げたら、店長さんはニッと笑ってくれた。


やったー! 計画成功!

悠馬さんは驚きの方が大きかったみたいで茫然としてたけど、私はあまりに嬉しくて頬が緩みっぱなしだった。