令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

「何の話だろう……」

「そりゃあ、松本悠馬の話に決まってるんじゃない?」

「悠馬さんの? それだったら、昨日メールで十分に説明したよ?」

「向こうは十分じゃないみたいね。ここから見ても機嫌悪そうだし……」


確かに、俊樹さんにいつもの笑顔がない。昨夜、私が俊樹さんからのメールや着信に気付かなかったから、それで怒ってるのかな。


「じゃあね?」


絵理は俊樹さんに会釈すると、私に向かって手をひらひらさせて帰って行った。やけに楽しそうに微笑んでいたけど、それはなぜ?


「こんにちは」

「やあ。乗って?」


俊樹さんは、ご挨拶もそこそこに助手席のドアを開けた。相変わらず笑顔はない。やっばり怒ってるのかな。


「あの、今日は寄るところがあるから……」

「いいから乗って!」

「は、はい……」


うわあ、すごい怒ってる……