令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

駅から歩いて約10分。静かな住宅街の中に私の家はある。

私達は、あっという間に家の門まで来てしまった。いつもは遠く感じるのだけど、今夜は逆に近過ぎると思った。


「ここです」

「ふーん。意外と駅から遠いんだな」


悠馬さんは逆の事を言った。


「そうですか? あ、そうですよね?」


私ったら、何を言ってるんだろう……


「でかい家だな」

「そうでもないと思いますけど……」

「いや、でかい」


悠馬さんは私の家を見上げながら呟いた。私はあまり大きいと思ってないのだけど、そんな事で悠馬さんと言い争いになるのはイヤだから黙っていた。

あ、そうだ。


「あの、お茶などいかがですか?」