私はただでさえ人見知りが激しいのに、見ず知らずの男の人とお喋りするなんて到底出来なくて、終始下を向いて誰とも話さず、早く終わる事だけを考えていた。

言ってみれば“針の筵(むしろ)”みたいな心境。


それ以来、合コンなんて二度と参加しないぞって、心に決めていたのになあ……


「えー、嫌よ。私がそういうのは苦手だって、絵理も知ってるでしょ?」

「知ってるけどさ、栞は黙って座ってるだけでいいから。急に一人ドタキャンした子がいて、人数が足りなくなっちゃったのよー。あたしを助けると思って、ね? お願い!」


なんて、高校以来の親友から手を合わせてお願いなんかされたら、合コンが苦手な私でも断りきれない……


「もう、しょうがないなあ。本当に座ってるだけでいいの?」

「うん! お喋りはあたしに任せてくれていいからさ」

「それなら、ん……いいわ。わかった」


という事で、仕方なく私は合コンに参加する事になってしまった。