これで名前で呼び合う仲になったわけで、ちょっと気恥ずかしい気もするが、上出来じゃねえかな。この調子で、さっさとこいつを落としちまうか?


「で、栞。何か?」


さっそく栞って言ってみた。なんか照れ臭いが。

たしかさっき、栞は俺に何か話し掛けようとしたはずだ。


「あ、はい。実は行ってみたい場所があるんです。よろしかったら、悠馬さんに連れて行ってほしいかな、なんて……」


栞は頬をほんのりと染め、恥ずかしそうにそう言った。

“行ってみたい場所”ってどこだろう。俺が連れてく場所?


もしかして……ホテルか!?


いや、まさかな。いくらなんでもそれはないだろう。


だが待てよ。案外そうかもしれないぜ。
だとしたら、もちろん俺の望むところだ。