ところが、吉田栞からの返事がなかなか来なくて、俺はイライラした。
もしかして、断るつもりか? あるいは無視か?


「クソッ。どうなってんだよ……」

「何をイライラしてんだ?」


つい、ぼやいたら、弘司が反応した。


「何でもねえよ」

「“何でもない”って顔じゃねえぞ。教えろよ、水臭いなあ」

「わかったよ……」


しらばっくれたかったが、どうせ弘司はシツコイから、俺は観念して吉田栞からのメールを待ってる事を弘司に言った。


「ほおー、悠馬にしては積極的だな。うん、いい傾向だよ」

「何が“いい傾向”だよ」


てな話をしてたら、やっと携帯にメールが入った。見ると、


『はい。喜んでお受けいたします』


吉田栞からの、お嬢様らしい文章だった。


「よし!」


思わず口走ってしまった。


「オーケーか?」

「ああ」

「そうか。それにしても悠馬、おまえ嬉しそうだな? よっぽど栞ちゃんが気に入ったんだな?」


そんなトンチンカンな事を弘司は言ったが、面倒だから「まあな」と答えた。


ま、嬉しいには違いないけどな。
なんせファーストステージクリアって感じだから。俺の復讐劇の……