「はい、どうぞ」
「あ、どうも……」
杏里さんはコーヒーの湯気が立ち昇る、黒と白のお揃いのマグカップを目の前のガラスのローテーブルにコトンと置くと、俺の脇に体をくっ付けるようにして座って来た。他に座る場所がなく、それはいつもの事なのだが。
「いただきまーす」
淹れたての熱いコーヒーを俺がズズッとすすると、「今日さ……」と杏里さんは話し始めた。
「昼間、あのハゲとクリスマス用の飾り付けをしてたのね。その時にさ……」
「あの……」
「ん?」
「飾り付け、ご苦労様でした。でも、“あのハゲ”って言い方はどうかなと……」
杏里さんの話にはすごく興味があるし、話の腰を折るのは悪いかなと思ったが、俺は杏里さんが店長を“あのハゲ”と呼ぶのが不快で我慢出来なかった。
「あ、どうも……」
杏里さんはコーヒーの湯気が立ち昇る、黒と白のお揃いのマグカップを目の前のガラスのローテーブルにコトンと置くと、俺の脇に体をくっ付けるようにして座って来た。他に座る場所がなく、それはいつもの事なのだが。
「いただきまーす」
淹れたての熱いコーヒーを俺がズズッとすすると、「今日さ……」と杏里さんは話し始めた。
「昼間、あのハゲとクリスマス用の飾り付けをしてたのね。その時にさ……」
「あの……」
「ん?」
「飾り付け、ご苦労様でした。でも、“あのハゲ”って言い方はどうかなと……」
杏里さんの話にはすごく興味があるし、話の腰を折るのは悪いかなと思ったが、俺は杏里さんが店長を“あのハゲ”と呼ぶのが不快で我慢出来なかった。



