令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~

とにかく座って飲み物をオーダーしたものの、私達4人には気まずい空気が漂っていた。


「今日はもう仕方ないけど、今後松本さんが栞に近付くのはNGですから」


絵理が冷たく言い放った。

それは私の事を思っての事だろうけど、そこまで言わなくても良いのではないかしら。松本さんって、絵理が思うほど悪い人とは思えないけどなあ。


当の松本さんは憮然としたまま無言で、私は反論したいけどもたもたしていたら、榊原さんが口を開いた。


「絵理ちゃんは、悠馬の事を誤解してるみたいだな」

「誤解……ですか?」

「うん。悠馬は自己紹介の時、かなり下品な冗談を言ったけど、普段はああいう事を言う奴じゃないんだ」

「ほんとかしら?」

「本当だよ。真面目、とまでは言わないが、少なくても遊び人ではないよ」

「そうかしら? 仮にそうだとしても、栞は松本さんが苦手ですから。ね?」