(——えーと……。今入っていくのはものすごくマズイ事はわかる。けれどずっとここにいるわけにもいかないし、なによりユイさんのお菓子は捨てがたい) 研究室に戻ってきたローザンは、うっかり扉の隙間から目撃してしまい、慌てて扉を閉じた。 幸い二人は自分たちの世界に浸っていたからか、気付かれなかったようだ。 けれど……。 (どうしよう……。誰か助けて) 扉を背に項垂れて、ローザンは大きくため息をついた。 (完)