叶亜side
ベッドの上ですやすや眠る夢亜
やっぱり成長しているとはいえ
夢亜は夢亜だ
小さな子供のような可愛らしい寝顔
俺はそれを見守ることしかできない
華那くんたちには一通り話した
隠してることはないとおもう
忘れていないかぎりね
病室からでるとみんながこちらに視線をうつした
『夢亜寝ちゃった』
みんなにそう告げてニコッと微笑んでみせた
いつものようにみんなから笑顔が帰ってくると信じて
だけど笑顔のまえに言葉すら帰ってこなくて
みんなが悲しげな顔をしたまま時間だけが少しずつ流れていった
短いはずなのにいつも以上に長く感じられた
『叶亜』
海くんのいつも以上に低い声が沈黙をやぶった
いつもの笑顔は少しもなくて
ただ、怖さだけを感じた
『..な....に??』
『どうして教えなかった』
『ぇ...?』
海くんにそう聞かれてすぐに言葉はでてこなかった
『なんで教えなかったか聞いてんだよ!!』
少し叫び気味に海くんが訪ねる
いつもと違う海くんに恐怖を覚えて足がすくむ
教えなかったのにとくに理由はない
ただ教えたくなかっただけ
迷惑かけたくなかっただけ
嫌われたくなかっただけ
それだけだ
