「人は見かけによらないのに…。」 ぽつり、零れる言の葉。 それはあまりにも静かなこの空間に虚しく響いて、なんだか泣きそうになった。 やだな、私なんだか弱気になってる。 そう思って空を仰いでみるけど、溢れだしそうな涙は目の縁にどんどん溜まっていく。 だから涙を堪えるのはやめてまた、前を向いて歩き出した。 そして今にも目からこぼれ落ちそうな涙を拭い、大きな門の前に立つ。 門の横に掲げてある黒に金の文字の表札がきらり、光って私を歓迎する。 さぁ、目的地の《藤山》だ。