目の前に広がるのは、まるで床一面を羊の背中で埋め尽くしたような、甘い綿飴をフワフワに作り上げたような、モコモコとした分厚い雲だけがある

街の真ん中には、太陽の陽射しを浴びてチラチラと七色の光沢を出している雲を突き抜けるように生えた、とても大きくて立派な大樹がある

みんなはその大樹を『命の木』と呼んでいる

文字のごとく、この世界の命そのままの存在だ