「ただいまー」
少し開いた扉の隙間から、濃い橙の光が部屋に射した。
「あーあ、ノーラおばあちゃんったらまた明かりつけてないんだからー」
外から入ってきた少女はそう言って頬を膨らませると、人差し指をくるりとまわした。
その途端、ぱっとやわらかい光が部屋にあふれる。
「随分とはやかったじゃないか」
戸の軋む音と共に現れた鉤鼻の魔女は、ばれていやしないだろうね、と少女を見遣った。
「まさか。そんなことしないよー」
けらけらと笑い、少女はふと月をみた。
そして笑みを深めて、嗤った。
ただ、面白い玩具をみつけたんだ
時間をかけて愉しみたいでしょ?


