「ねぇ、真純??」
「なんだ??」
強張っていた顔が次第に緩んでいく。
「真純の部屋に今日は泊まって良い??」
「ダメって言ってもどうせ泊まるだろ毎回のごとく。」
「だって、真純だもん。」
「なんだ??意味分かんねぇよ。」
「真純、寒い。」
「…………嗄綺。」
真純はあたしを抱き締めてきた。
「真純!?!?」
初めてのその行動にあたしは驚きを隠せなかった。
「…………これで温かいだろ…………。」
「えっ…………うん………。」
真純の少しだけ低い声が耳元でする。
「嗄綺…………早く戻るか…………。」
真純はそう言うとまるで何かを割り切ったかのように身体を離した。
咄嗟にその腕を掴みそうになった。
でも………………。
「今日は嗄綺の好きなホワイトシチューを作るか。」
その悲しそうな笑顔を見たらただ、黙って頷くことしか出来なかった。
だって……………。
真純はあたしにそんな悲しそうに笑ってるとは思っていなさそうだったから。
真純はあたしにいつもの優しい笑顔で笑っているようなそんなシーンを描いているように思えたから。
「ねぇ、真純??」
「なんだ??」
「やっぱり、あたしが真純の好きな料理を作る。」
「珍しいな。どうした??」
「気分だよ。」
「本当に嗄綺は気分屋だな……………。」
「そうかもね。」
「自分でも分かってるのかよ。」
「うん。だって良く言われるから。」
「そうか。行くぞ。」
真純はあたしの手を握り締めると、前に足を踏み出した。
その淋しげな背中に気が付かぬ振りをして……………。

