「嗄綺っ!!!!」
後ろから哲平があたしを追いかけてきたらしい。
「哲平、この子が嗄綺ちゃんですよね??」
「あぁ。」
「なんで逃げられてるんですか??」
「………っうるせぇ。」
「まさか、振られたんですか??」
「んなわけねぇだろ。」
「それより、ここじゃあれだから部屋に戻りましょう。」
「分かってる。」
そう言って、あたしは哲平によって歩かされる。
「っ離して。」
「嗄綺ちゃん??」
「離してっ。あたしはあの部屋には戻らないっ。」
「嗄綺ちゃん??どうしたんですか??」
「あの部屋には行かないっ。」
「あの部屋って…………場所が分かってるのか??」
「っっ………!!!!」
その一言にあたしは自分の発言を思い返して息を詰まらせた。
このまま言ってしまえば…………あたしは何もかも哲平に、
ここに居る黒龍の奴等にあたしの本当の素性がバレてしまう…………。
「離してっ!!!!」
あたしは2人の腕から逃れるように暴れる。
「ちょっ!?!?」
「嗄綺っ!!!!」
2人はあたしの行動を止めようと、声をかける。
でも、あたしはあの部屋には戻りたくもない。
それに、こいつ等にあたしのことを話す義理もない。
あたしは思わず出そうになる手をぐっと抑えながら暴れる。
「っこの………暴れるっ………なよっ………。」
哲平があたしを後ろから掴む。
「触るなッ!!!!」
あたしは、今まで我慢していた想いを吐き散らす。
「お前とはもう2度と逢うか!?!?離しやがれ!!!!お前なんてそこ等のゴミどもと変わらねぇだろっ!!!!」
その瞬間_________。
あたりがシーンと静まり返った。
「さ………き………??」
「嗄綺ちゃん…………。」
「お前等にあたしを知る権利はない。それにここは虫唾が走るんだよ。」
「おいっ。それ以上、ここの奴等を侮辱するな。」
後ろから、ドスの低い声がした。
振り向かなくても相手が誰なのか分かる。
いつからそこに居たのか、どんな顔をしてあたしを見ているのかも。

