「あの時の俺を……………知っているのか??」
俺は嗄綺を見た。
あそこに居たのは、俺と咲良さんを含めての9人。
もし、そこに居たのなら数が合わない。
嗄綺を見ると、今までの表情が崩れて……………。
「っっ…………。」
何かを考えているかのように口に手を当てて、声を押し殺そうとしていた。
「何を知ってるんだ。」
「っっ……………。」
「嗄綺っ!!!!何を知っているんだ!!!!!!!」
俺の怒鳴り声に嗄綺は小さく細い身体を揺らした。
その瞳には何かが隠されている。
今にも嗄綺は倒れてしまいそうなほどに顔色が悪い。
「お願いだっ。俺は咲良さんを殺した奴を捜してるんだっ………。」
あぁ、喉の奥が痛い。
ヒリヒリと喉が燃えているように感じる。
あの時の記憶が、あの時の何もかもが頭の中でフラッシュバックする。
赤く染まる身体。
次第に冷たくなっていく身体。
切なげに、苦しげに、愛しそうに何度も『名前』を呼ぶ声。
大きな声で泣き崩れて泣く幾人もの人々。
そして…………消毒液の匂いと錆びた鉄に似た血の匂い。
いつも憧れだった咲良さんが初めて見せた一筋の涙…………。
嫌でも頭から離れないその記憶。
何度も消えてほしいと願ったのにその記憶はまるで昨日のように思い出す。
咲良さんは俺の腕の中で……………死んだんだ。

