それからあたしは悠矢先輩とは話してはいない。
正確に言えばあたしが学校に行って居ないから。
だって………………。
面倒くさいし、ダルいし、疲れるから。
あたしは本当は勉強なんてしなくても大丈夫。
何故なら、あたしは訳あってもう小学生の頃に大学を卒業しているから。
理由を話すのはまた今度のお話の時に_______。
「ハァ~。」
深い溜め息が口から零れ落ちる。
あたしがいま居るのはあの場所に来ている。
ただ………………。
あたしは瞳の中に映る『ある人物』に驚きが芽生えた。
あたしの視線の先にいる人物。
それは……………。
「…………加宮………哲平。」
そう。
そこに居たのはこの前の『加宮哲平』だった。
「あっ。やっと来た。」
「……………やっと来た??」
あたしは少しだけ引っかかったその言葉を繰り返す。
「あぁ。お前に逢いたくてずっと毎日かな。ここに来てた。」
「毎日来た??」
「だから、言っただろ??お前に逢いたかったんだよ。」
「あたしはアンタに逢いたくなかった。今すぐに帰れ。」
あたしはゆっくりと足先の方向を変えた。
……………しかし…………。
「せっかく逢えたのにもう行くのかよ。」
いつの間にかあたしの後ろまで来ていた『加宮哲平』があたしの腕を掴む。
「離せ。」
「無理だ。」
「殺すよ。」
「っつ…………。」
「あたしは冗談なんて言う奴じゃないからね。」
あたしは強くその腕を振り切った。