「今は朝じゃねぇよ。」
「どっちにしろ盛るなー。」
「棒読みかよ。」
悠矢先輩があたしに跨りながら苦笑いする。
その表情にあたしは微笑んだ。
「なんで笑ってるんだよ。」
「いや、最初に逢った時も悠矢先輩って苦笑いだった気がしますから。」
「そうだったか??」
「そうですよ。」
「それより、さっきの嗄綺はビックリした。」
「そりゃあ、そうですよ。」
「初めてあんな表情見た。」
「初めて見せましたから。」
「あれが黒蝶の嗄綺か…………。」
その表情はどこか……………切なく見える。
「まぁ、そうですね。」
「淋しいな。」
「悠矢先輩が??」
「違う。嗄綺がだよ。」
「あたしが??」
「そう。」
「なんで淋しいんですか??」
「だって黒蝶は1人しかいないんだろ??」
「そうですよ??誰も巻き込みたくないですから。」
「そんなの小さな理由にしかならねぇじゃねぇかよ。」
「小さな理由??」
その言葉に少しだけ身体が強張った。
「だって、巻き込みたくないって言っても結局は誰かを犠牲にしなければその嗄綺の願いは想いは叶わないんだろ??例えその『犠牲』が自分のことだったとしても。」
その言葉に心が揺るぎそうになった。

