「悠矢先輩が必死になってあたしを止める意味が分かりません。」
「本当に分かんないのか??」
「分からないからこう言ってるんでしょ??」
あたしは悠矢先輩に微笑んだ。
あれっ??
今のあたしはどっちの『あたし』なのかな??
『黒蝶』としての黒く染まったあたしなのか。
それとも『篠山嗄綺』という1人の女の子か。
今のあたしの表情はどっちなのかな??
「っっ…………。」
あぁ、悠矢先輩の身体が震えてる…………。
「俺が怖いか??」
すると、悠矢先輩の身体が大きく揺れた。
「初めて…………この俺に逢っただろ。」
「っっ。」
「身体が震えてるぜ??」
クッと喉を鳴らしながら嘲笑った。
これが…………本当のあたしだ。
どの『あたし』も『あたし自身』だけど。
1番、あたしの中でシンクロするのはこの『黒蝶』になっている時。
あたしは『黒蝶』のあたしが好きだ…………。
ただ、闇雲に人を殴って。蹴って。倒して。嘲笑って。
世間では最低の部類の人間なのかもしれない。
でも、結局のところ。
あたしはどう何かを足掻いて生きても本当のあたしは『黒蝶』にしかならない。

