「なんか今日の悠矢先輩。いつもより嗄綺に近付かなかったね~。」
そう言いながら、あたしの手を引いて教室へと向かう波奈。
まぁ、そりゃあそうだろう。
初めて悠矢先輩に嗄奈を向けたんだから。
あっ、そう言えば波奈にまた嗄奈を使って手を怪我したの言ってない。
「波奈。」
「なぁに??」
「あたしの腕の傷。嗄奈の奴で切れた。」
「えっ!?!?」
「それと、悠矢先輩はもうあたしに関わってこないと思うよ。」
「なんで!?!?」
「昨日、嗄奈を悠矢先輩のココに押し当てたから。」
そう言ってあたしは自分の首に指を這わせる。
「なんでそんなことしたの!?!?」
「内緒♪」
あたしは口元に人差し指を当てた。
「そのポーズの時は絶対に喋らない時じゃんよ………。」
「よく、お分かりで居らっしゃる。」
「でも、悠矢先輩は嗄綺を好きだから関わってくると思うよ。」
「なんでそんなに言い切れるの??」
「だって、さっき。嗄綺の事を愛しそうに抱き締めてから後で迎えに行くって言ってたから。」
「愛しそうに………ねぇ………。」
あたしはポケットに入れられた『紙』を見て、波奈を座らせた。

