「波奈??発進するから捕まって。」


「うん!!!!」


そう言って、波奈はあたしに力強く捕まった。


「嗄綺は良い匂いがいつもする✰」


「そうか??」


あたしの身体はいつも…………錆び吐いた鉄の………血の匂いしかしない。


「あんまり…………あたしに触らない方が良いよ??」


       『血の匂いがうつるから』


その言葉は出かかったけど、止めた。


あたしのことを何1つ知らないんだから怖がらせたら波奈を守る人が居なくなる。


そうすれば…………波奈は壊れてしまう。


「ねぇ、嗄綺??」


「ん??」


「あたしは嗄綺が好きだよ??」


その時の波奈はどこか真剣だった。


でも、穏やかにあたしを見て微笑んでいた。


「…………愛の告白は好きな人にしな。」


「ちょ!?!?あたしをレズだと勘違いしないでよ!!!!」


「えっ…………違ったの??」


「当たり前でしょ~~~~~!!!!!」


そんなことを話しながらあたしはバイクを進ませた。






後ろからあたしを追いかけてくるバイクを横目にしながら………。