「波奈、ちょっと落ち着きなって。」


「だって!!!!嗄綺のバイクに乗れるんでしょ!?!?」


「まぁ、無理したりしたら降ろすよ??」


「絶対に無理はしないです!!!!」


そう言って、波奈はあたしに敬礼をした。


「良く出来ました。」


あたしは波奈にメットを被せた。


「嗄綺??メットは??」


「あたしは被らない。」


「なんで??」


「被るものとかあんまり好きじゃないから。」


「でも、危ないよ??」


「………………キャップ被るよ。」


「キャップ??」


「あたしがメットを被ると今の格好じゃ男に勘違いされるの。」


「そっか!!!!」


「だから、波奈だけは被ってて。」


「うん!!!!」


良かった…………。


あたしがいつもメットを被っていないのがバレなくて。


波奈はあたしのことになると凄く………恐ろしくなる。


可愛い顔なのに、あたしのことだと般若の顔に変わる。


今まで、その体験は痛いほどしてきたから………。


あの顔は怖すぎて見れたもんじゃない。


一瞬、波奈の怒った時の顔を思い出して身体がブルッと大きく震えた。