「久々に怪我したな。」
あたしはゆっくりと血が伝っていく腕を見た。
「ヤバいなぁ…………ちょっとやり過ぎたかな??」
あたしは『加宮哲平』の存在を頭の中で考えながら止血をした。
傷口が燃えるように熱くなる。
「確か…………加宮哲平って『黒龍』の………。」
あたしは自分の部屋に上がって机に置いてあるパソコンを起動させた。
「お腹空いた………。」
チャーハンとか作ろうかな………。
ハッキングの情報とか色々あるから起動が緩いんだよね。
あたしは、キッチンでチャーハンと卵焼きを作った。
卵系が好きなんだよねぇ………。
「あっ、ついてる。」
パソコンの画面には黒い蝶が居る。
黒い蝶。
あたしの名前と一緒。
「暴走族狩りの黒蝶か…………。」
ポツリッとあたしの通り名を呟いた。
「誰がそんなことを言ったんだろうか…………。」
あたしは族の情報を1つ1つに分けている。
その中で『黒蝶』と書かれたファイルを開く。
「ん??誰かあたしを探ろうとしてる。」
このファイルに触れると誰が『あたし』を探しているのかすぐに分かる。
「え~っと………。」
あたしは一通り、その名前に目を通していく。
「あれっ…………!!!!」
あたしは1つの族の名前を見てビックリした。
「なん……………で…………。」
あたしは『〇〇』の名前を見つけた。
「どうして…………あたしをこの族が探してるんだ??」
あたしは懐かしいその名前にある記憶を思い出した。
でも、その記憶は『良いもの』とは言えない。
言うならば『最低なもの』だ。
消したくてもそれは許されないから。