「うるさいっ!!!!」
その女の子は嗄綺の手を払いのけて更に叩こうとする。
「嗄綺っ!!!!」
だけど、その女の子が振り上げた手は空を切った。
パシッ ギュッ
何故なら、嗄綺がその手を掴んでいたからだ。
「えっ………。」
「何度も叩かれるわけねぇだろ。」
「ヒッ!!!!」
その嗄綺の表情は見えなかった。
でも、その異様な空気に女の子は悲鳴を上げていた。
「お前も叩かれてみるか??」
嗄綺は自分の手をそっと見ていた。
「っっっ………。」
女の子は怖くなったのか瞳を潤ませて震えている。
「怖いなら、やるなよ。」
嗄綺はあたしの手を掴むと席にあたしを座らせた。
「これ以上、波奈に手を出したら潰す。」
初めて………………この教室に自分の居場所が感じられた瞬間だった。