「あたしの………つく………え………。」
しっかりとあたしの机が置かれていた。
「ちゃんと教科書とか他の物もあるの??」
「あるよ。」
「そっか、良かったね。」
「うんっ…………うんっ………うんっ………。」
あたしは泣きながら何度も嗄綺の言葉にうなずいた。
「あの…………篠山さん………。」
ある1人の女の子が嗄綺に話し掛けてきた。
あたしは反射的に嗄綺の後ろに隠れた。
何故なら……………あたしを1番最初にイジメてきたのがこの人だから。
「なに。」
嗄綺の声が少しだけ低い。
もしかして……………嗄綺はこの人が主犯だって気が付いてる??
「あの、あたしの隣に居る人が主犯なの。」
そこには、あたしと少しだけ喋ったことがある人。
「そう。」
嗄綺は少しだけあたしをチラッと見た。
嗄綺……………。
「あんたはそんなに卑怯な奴なんだな。」
嗄綺は本当の主犯の腕を掴んだ。
「何言ってんのよ!?!?あたしは主犯じゃない!!!!」
「誰があんたを主犯だって言った。」
その瞬間、表情が歪んだ。
「騙したわね!!!!」
「騙してない。自分で言ったんだろう。」
「このっ!!!!」
女の子は怒り狂ったのか顔を真っ赤にして嗄綺の顔に目掛けて手を振りおろした。
『パシンッ』
乾いた音が教室に響く。
「そうやって人を殴って何が良いんだ。」
嗄綺は叩かれた頬を抑えたり、何か罵声を上げることもなく。
ただ、その女の子を見つめた。
その瞳は……………異様に冷え切っていた。
背筋が………いや、教室中がシーンと静まりかえって冷えた様な気がした。
嗄綺のその何とも言えないオーラに誰も喋れなかった。
あたしでさえ、嗄綺を少しだけ………怖いと思ってしまった。