俺の名前は『篠山 嗄綺』


何故、男言葉になっているかというと…………。


俺の今の姿は『暴走族狩りの黒蝶』だから。


俺は、男も女も嫌いだ。


全ての人間が嫌いでしょうがない。


理由はそのうちにな??


まだ言えない。


俺はある奴を殺したい。


かつて俺が普通の「人」であった時に慕っていた人を壊した奴。


そいつを同じ目に…………いやそれ以上に………。


だけど、家に帰れば俺は『俺』じゃなくなる。


「ただいまぁ~。」


「おかえりぃぃぃぃ!!!!」


         ドッシ~ン


「っ………波奈………重いっ………。」


今、あたしに突進という名の『ハグ』をしてきた人物は。


あたしのことをまぁ、理解しているであろう人物だ。


少しだけ訳があって一緒に暮らしている。


ちなみにあたしと波奈は同じ学校だ。


そして、同じクラス。同じ年でもある。


だけど、少しだけ違うことがある。


それは……………。


「嗄綺ぃぃ………。」


「どうした??」


「今日も1人で居たじゃん。」


「あぁ、そうだね。」


「ダメって言ったじゃん!!!友達を作んないと!!!!」


「却下。」


そう、波奈はあたしに『人嫌い』を直させようとしている。


特に波奈は色んな人に好かれやすい。


あたしは、そんな波奈をいつも遠い目で見ている。