「!!!!」
あたしはすぐに『加宮哲平』から離れた。
「その反応ってどういうこと??」
あたしの今の表情はどうなっているんだろうか。
…………そんなの考えなくても分かる………きっと……あたしの顔は……。
「真っ赤だよ。」
男があたしの顎をなぞりながら聞いてくる。
その瞳の中はさっきのように『絶望』には染まっていない。
どこか、光があるようにも見える。
だけど、その光はすぐに消えてしまいそうなそんな儚い輝き。
「っっ…………近づくなっ!!!!」
あたしは『加宮哲平』の顔に目掛けて殴りかかった。
パシッ_______。
だが…………。
『加宮哲平』はいとも簡単にあたしの拳を手で掴んだ。
「女が簡単に俺を殺れると思ったか??」
あぁ……………あたしの血が段々と騒ぎ始める。
『コ イ ツ モ ア イ ツ ラ ノ ナ カ マ ?? 』
身体が勝手に動いて行く。
さっき閉まったはずの『嗄奈』を出してあたしは『加宮哲平』の腕に突き刺そうとした。
「っっ!!!!」
そのナイフは『加宮哲平』の腕ではなく、あたしの腕をかすめていった。
「おいっ!!!!」
鋭い視線があたしに向く。
「何??」
あたしの今の表情は『黒蝶』だ。
完全にもう1人のあたしがここに居る。
闇の中で生きているあたしの姿が今、『加宮哲平』には見えるはず。
まぁ。あたしの素性を知ってるのは『悠矢先輩』と『波奈』だけ。
誰もあたしの姿を見ていない。
見ていても『顔』は絶対に見せないようにしている。
そうしないと、またあたしは…………。

