ボーッとただ、闇の中を歩いてる俺は周りにはどう見えているんだろうか。
この世界は息が詰まって、俺は少しだけ生きにくい。
そんな時だった。
「お前たちは必ず、強くなれる。」
凛とした声が俺の耳に入った。
いつもなら、そんな戯言は気にも止めなかった。
だって、そんな言葉は無責任じゃないか??
『必ず』っていつ来る??
『強い』ってなんだ??
教えてくれよ、この世界は俺にとって生きにくくてしょうがねぇんだ。
声のしたほうに自然と足を進めていると、
「…………アイツか………。」
俺よりも遥かに小柄な体つきの男が膝をついた数人の男たちの中に居た。
俺は気配を消して、その小柄な男を見ていた。
「いつ、強くなれるんだよ。今すぐに強くなりてぇんだよ。」
黒髪に青のメッシュが入った男が切羽詰まったように言う。
「…………強くなるのはすぐにできるんだ。」
小柄な男はゆっくりと話す。
「じゃあ、なんで俺らはお前に負けたんだよ!!」
黒髪に銀のメッシュが入った男が怒鳴る。
「それはお前等が見失ってるからだ。」
優しい声色で放った言葉は俺の心を傷つけるには十分だった。