あれは、何気なくケンカに明け暮れていた日だった。




「つまんねぇな。」




そう呟いた俺の足元には息が浅い血塗れの男たち。




また、歯止めが利かなかったみたいだな………。




「お前等、死にそうだな。」




倒れている奴らに呟く。




静かにある場所へと電話する。




「スミマセン、通りすがりの者なんですが。繁華街の路地裏で何人もの男達が倒れてるんですが。」




覇気のないただ機械的に声を出す。




「では、宜しくお願いします。」




まだ相手が話していたと思うが、電話を切る。




「ゴメンな、歯止め利かなくて。」




そんな声は倒れている男達には届かない。




誰にも『俺の声』は届かない。