「駿介っ!!真純さんに今すぐ謝れ!!」
棗が顔を真っ赤にして俺に掴みかかる。
「…………うるせぇよ………。」
感情を押し殺して、心を探られないように冷めた瞳で見下ろす。
「っつ!?」
「離せ。」
もう関わらないでくれ。
求めたらいけないのに、求めてしまうんだ。
望んじゃいけないのに、望んでしまうんだ。
願っていい存在でもないのに、
「俺はもうあんなクズたちの溜まり場には行かねぇ。今後一切、関わりたくもねぇんだよ。」
……………戻りたい。
「………駿介、お前を俺はもう恩人だとは思わねぇ。」
絶望と怒りに満ち溢れた瞳が俺を映す。
あぁ、終わったな。
これでもう思い残すこともない。
良いんだ、こんな結末で。
俺が望んだのは『俺を憎むアイツ等』が居る環境だ。
憎まれて、いつか忘れてくれればいい。
過去に最悪な奴が居たと罵ればいい。
嫌ってくれ。
じゃないと俺は…………。