「知ってましたか??このナイフの存在。」
「っっ………。」
「身体が震えてますよ??」
その悠矢先輩の瞳には『恐怖』の色が見えた。
「あぁ、ナイフが怖いですか??…………それとも…………。」
あたしは悠矢先輩の耳元に口を近づけると………。
「あたしが怖いですか??」
悠矢先輩は『ッ!!!!』と声にならないような悲鳴を上げた。
「クスクスッ。じゃあ、さようなら。」
あたしはすぐに悠矢先輩の上から下りて、学校を出た。
あたしの向かう場所。
あたしにはまだ誰にも明かしたことがない場所がある。
誰も『その場所』を知らない。
あたしだけが知っている………秘密の場所だ。
だけど…………。
ここであたしの『運命』の歯車が狂った。
行かなければ良かったのかもしれない。
あたしは自分で壊してしまったんだ、運命の歯車を………。