「僕はアイツを信じてました。だからこそ、アイツの話は聞きたくありません。」
悠葵の泣き出しそうな声が儚く空気と混じりあう。
「真純さん、仲間が聞きたくないと言ってます。なら、俺は仲間の意見を尊重したいです。」
哲平も心なしか表情が歪んでいる気がした。
「それは黒龍総長としてのお前が言ってるのか??それともお前自身の言葉か??」
「・・・・・っつ・・・・・」
哲平の顔が悲痛に歪む。
「今のお前らは何も分かってはいない。」
「どういう事ですか??」
眉間に皺を寄せた舜弥が話す。
「守るべきモノを間違えてると言ったんだ。」
「・・・・・守るべき・・・もの??」
今まで黙っていた棗が口を開く。
「棗、お前は今から俺の家に来い。お前だけでも真実を知っておけ。」
真っ直ぐと棗の瞳を見る。
「・・・・・・分かりました。」
良かったな。
嗄綺、少しでも幸せになれ。
「棗を借りていく。」
何も喋らない哲平達に一言だけ伝えて棗を連れて溜まり場を後にした。

