「棗、お前の恩人は誰だ??」
「えっ??俺の恩人ですか??」
予想していなかった俺からの質問に戸惑う棗。
でも、この質問にはどうしても答えてほしいんだ。
棗の答えで流石に忘れていたはずのこいつ等の記憶も戻るはずだから。
「俺の恩人は……………黒龍の人たち…………ですっ………。」
「本当にそれだけか??」
棗に問いただす。
「真純さんっ、言えませんっ!!」
「言え。先代からの命令だ。」
「そんなっ…………言えないですっ!!」
俺は残酷な人間なのかもしれない。
棗が苦しむのを分かっているのにこんな質問をするなんて。
「真純さん、俺は言えないですっ!!」
悲痛な声が部屋に響く。
「真純さん、棗に何を言わせようとしてるんですか??」
勘の鋭い舜弥が俺に聞いてきた。
「真純さん!!言わないでくださいっ!!」
「棗は黒龍の奴等を恩人だと本当に思ってる。」
「止めてくださいっ!!」
「でも、もう1人だけ居るんだ。」
「…………っつ…………真純さんっ…………なんでっ!!」
今にも泣き出しそうな棗の表情に胸の奥が締め付けられる。
「棗、すまない。でも、いま言わないとお前もこいつ等もきっと後悔する。」
「真純さん、棗を苦しめてるなら俺は嗄綺の事から手を引きます。」
俺と棗の間に俺の視界から慧が消えるように哲平が身体を割り込ませた。
「総長っ!!」
「哲平っ!!何してんだっ!?」
「おいっ!!」
「哲平、止めろっ!!」
様々な声が哲平に放たれる。

