「舜弥、棗をすぐにここに呼べ。」




凛とした哲平の声が部屋に響く。




「竜呀も悠葵も先代の人なんだ。失礼だろ。大人しくしろ。」





有無を言わせない声に俺でも少しだけ恐怖感を持った。





哲平の瞳は何もあの頃と変わっていないような気がして…………。





「……………分かった。」





「…………っつ…………。」




なんとか納得した竜呀と悔しそうに唇を噛み締めている悠葵。





「済みませんでした、真純さん。」




頭を深々と下げて謝罪の言葉を並べた哲平。





「いや、俺が悪かった。本当にすまない。」





俺も哲平と同じようにもう1度謝罪の言葉を並べた。





すると、そこにタイミング良く…………。






「棗を連れてきました。」





少しだけ緊張したような顔つきで部屋に入る棗と少しだけ疲れた顔つきの舜弥がいた。





「棗の説得の内容に疲れました。」





「舜弥さん!!絶対ですよ!?」




「説得する内容??」




「はい、俺の学校に可愛い子がいるそうで。」





「……………まぁ、舜弥。頑張れ。」





「…………はい…………。」





そんなやり取りをして、俺は本題に入った。