「っっ………。」
悠矢はあたしの上から素早く離れた。
その姿は何かを必死に隠すかのような行動だった。
「悠矢??」
「情けねぇな。」
「なんで??」
「俺は男なのに嗄綺に負けてばかりだ。」
「あたしは、何事にも負けちゃいけないからね。」
「もう…………止めろよ。」
「さっき答えた様に『却下』です。」
「なんでだよ。」
少しだけ不機嫌そうな声がした。
あれっ?? 機嫌を害したかな??
「ねぇ、悠矢??」
「ん??」
「なんでそんなにあたしを気にするの??」
「好きだから。」
即答されちゃったよ………。
「そんなにキッパリ言わなくても………。」
「俺は嗄綺を好きだから気にするし、心配だってする。」
「そうですか。」
「冷てぇな。」
「良いじゃん、これがあたしなんだから。」
「まぁ、そうだけどよ。」
「……………なんでそんなに泣きそうになってんの??」
「なってねぇよ。」
「じゃあ、言葉を変えようか。淋しいの??」
「っ……。」
「図星??」
「別にっ。」
「ムキになるってことはアタリだ。」
「嗄綺…………すぐに手を引け。」
「イヤだ。」
「そんなに頑固になるな。」
「なるよ、波奈を…………あたしは助けたいから。」
「でも、嗄綺が怪我をしたりしたら波奈ちゃんは泣くぞ??」
「泣かせないよ。」
「あのなぁ~。」
「大丈夫、あたしは1人で。」
「大丈夫なわけねぇだろ。」
「信用してくれないの??」
「そうじゃねぇよ。」
「じゃあ、なに??」
「嗄綺が居なくなったら俺は困る。怪我をされたりするのも。」
「約束する。しないから。」
「その約束は絶対に破られるな。」
「なんでよ。」
少しだけ、悠矢の言葉に引っかかった。

