「せんせ~!」


「お~!桜!」



先生は山積みの課題を見ている最中だった。


夏休み前に規定ページに達していない生徒は、全員自動的に補習になるので、みんなこの時期は数学の課題に追われる。


私は先生のために数学を頑張ったから、規定ページ以上の課題をこなしていた。



「ねえ、先生!桜に何かCD貸してあげてくれない?」



忙しそうな先生を気にして、なかなか言い出せない私に代わって、くるみが先生に頼んでくれた。



「いいけど、何の?」


「前に先生の車に乗ったときかかってたやつの……」


「ああ!あれ?いいよ!じゃ、明日持ってきてやるよ!」



明日!?


気持ちは嬉しいけど、明日じゃまだ夏休みになってないよ。


夏休みに会うために頼んでるのに……。



「あ、明日じゃなくて!その……夏休みがいいな!明日は忙しくてなかなか……」



無茶苦茶な言い訳をしてしまった。


くるみは呆れ顔で、ため息をついている。

先生は、あははと笑い出した。



「ったく、桜はバカだなぁ。夏休みに会いたいなら会いたいって言えばいいのに!じゃ、夏休みな!桜ん家にCD持ってってやるよ!」



先生がそんなことを当たり前のように言うから、私もくるみもびっくりして顔を見合わせた。




夏休みに先生と会える。


先生が家に来るんだぁ!