「桜は、先生に1番気に入られてると思うよ」 愛梨が、私にそんなことを言った。 そうだね。 私もそうだったらいいなって思うよ。 でも……。 「先生は一番の生徒とか思ってないよ。みんな同じくらい可愛く思ってる。生徒に順位をつけるような先生だったら、私きっと好きになってない」 愛梨は目に涙をためて、『そうだね』って頷いた。 愛梨は、前から自分のことを好きだと言ってくれている子と付き合うことにしたらしい。 愛梨は偉いよ。 ちゃんと前に進んでる。 私は、もうしばらくこのまま先生を想わせて……。