海くんも、愛ちゃんも、私が教育実習をした頃の生徒たちは、もういない。 学校の外の門から、グラウンドを見た。 先生は、やっぱりサッカー部の顧問の先生だった。 「何やってんだよ!もっとはやく走れ!」 変わらない怒鳴り声。 変わらない熱意。 何も変わらない先生。 先生は私情で何があっても、絶対に生徒の前で表に出さない。 そんなこと、知っているけど…。 もう、私のことなんか忘れちゃったのかな…。 そう思わずにはいられなかった。