「俺の幸せを、お前が勝手に決めんなよ!桜といられることが、俺の幸せなんだよ。それしか、考えられんねぇ…。頼むから、お前だけは俺のそばからいなくならないで…。なぁ、桜、頼むから…。」


先生は、泣いていた。


ただ、私を抱きしめた。



先生の腕を離そうとしたけれど、まるで磁石のように引っ付いたまま離れない。


先生の力に敵うわけがない。



先生は、そのまま強引に私にキスをした。



「んん……やぁ……いやっ!!」



キスを拒んだ私は、もう先生の顔を見れなかった。



「桜…。俺のこと…嫌いになった?」



そんなわけない。


あるはずがない。



先生以上に愛している人なんか、いない。


この先も、一生。



先生のことを嫌いだと言った方が、いいのかもしれない。


でも、先生の顔を見た途端、何も言えなくなってしまった。



先生の目からは涙が流れ、寂しさでつぶれそうな顔をしていた。

傷ついて、傷ついて、ずたずたになったようだった。