「きちんと、話さなきゃならない」


そう、お父さんは言った。


篤真のお父さんはいい人なんだろうな。


浮気しちゃったけど。


だけど、ずっと気にかけてた。


「きっと、篤真もよろこびます」


そう言って、心から笑えた。


篤真がいる感覚は全然感じられない。


そっか…。


もう、篤真はいなくなってしまった。


「…どうかしたのか?」


「えっ…」


「泣いている」


会えない。


そう、わかっているのに。


心は正直で体を動かしてしまう。


「篤真が…もう、いないからっ」


「うん」


「好きなのにっ…好きになっちゃったから」


別れるのが辛いんだ。