家を飛び出したのはいいけど、
行くところ何か無くって。


隣の愁の家に来ていた。


「…泊めて?」


「うん、いいけど」


愁の部屋に来るなり、
私は愁に抱きついた。


こんなことできるのは、幼なじみだから。


「ちょ、結愛?」


「私っておかしいのかな」


「どうしたんだよ」


ほんとだよね。


どうしちゃったんだろう。


つい最近まではこんな子じゃなかったのに。


「…っ」


言いたいのにいえない。


誰かに言ってしまったら関係が終わりそう。


そう思ったから。


篤真と離れたくない。


「愁…っ」


「ま、俺の部屋ならいてもいいから」


頷いて離れた。


優しく頭を撫でると、部屋から出て行った。