恋はいっぽから!








卒業式を終えて、教室に戻ってくると………。




「アンタが余りにも泣くからつられてもーたやん。」




オオサカが真っ先に私の元へと…


駆け寄ってきた。




「俺も俺も。」



長南殿までもが…目や鼻先を真っ赤にしている。





私たち三人は、顔を見合わせて。




「「「ぶっさいく!」」」



互いを指差しながら……



笑った。








やがて……、担任のニシハルも教室へと入ってきて……、




ドアが閉まると同時に、室内は一気に……静まりかえった。




靴を鳴らし、彼が教壇に上がっていくその音に……、




私は耳を傾ける。







最後のー……HR。




堪えていた涙が、また出そうになっていた。









しん……と静まる教室に。






「………卒業……おめでとう。」





ニシハルの低音ボイスが…優しく響いた。





「…近年稀に見ない、笑える卒業式だったな。」



彼はチラリと私を見ては…


口元を綻ばせた。






「なんていうかこのクラスはほんっと自由な奴らばっかで……、俺の言うことなんざ大して聞いたもんじゃなかったよなぁ…。」




まるで懐かしむようにして……



目を細めている。





「…けど、おかげで担任を引き継いでも…気負うことなく楽しくやれた。俺にとっては初めての卒業生だ。………一生…、忘れない。つーか、おまえら濃すぎて忘れらんねーな。」



「…アンタそりゃ失礼やで!てか、濃いんは自分もやろ。真面目くさった顔して…気色いわ。」


お決まりの……オオサカの突っ込み。




感動ムードを、ほっこり和やかなムードへと…変えてみせた。





「……でも…、このクラスは、お前らあっての…、それから、新見先生があっての…クラスだった。さっき祝電が披露されたけど、実は…俺も彼女からメッセージを預かってる。……それを持って、別れの言葉にしたい。俺はこーゆーしんみりとした雰囲気は正直苦手だし、気の利いた上手い台詞も…思い浮かばないしな。」





…………。




馬鹿ね、先生。



あなたの言葉は、例え嫌味がかっていても、冗談であっても、いつもいつでも……私達生徒の心に響いていたわ。


最後に…それを言わないのは、新見先生に華を持たせる為……?