恋はいっぽから!




「……高津くん。それはつまり……、私がニシハルを好きだとでも言いたいの?」



「三船。俺は別に…、ニシハルだとは言ってねーぞ?」



「……………!!か…、カマかけたのね?」



「お前がしらばっくれようとするからだろ!」



「…………。」



「…気持ち伝えるくらい、どってことねーよ。今の俺、すっげースッキリしてるし。それに……莉奈だってそうだろ?深く考えすぎ。うじうじウジ虫みたいで…イラつく。」



「…………。」



「……そんなシケた面するなら…、一度ぶつかってスッキリして来い。大丈夫、振られたら俺らが励ましてやるから。……失恋仲間として。」



「……………。一理…あるわね。ぶっちゃけたら…スッキリするかしら?」



「………。間違いねーな。」




「……なら……、高津くん。少しでいいから…手合わせ願います。」



「……は……?」




「…少しだけ、顔を見せて欲しい。」




「………。うつしたらマズイから……。」



「うつらないわ。恋する乙女は強いから。……って、莉奈ちゃん見てたら思ったの。」




「……莉奈の話かよ。まあ…、いっか。じゃあ…ちょっとだけ。」




ベッドの側のカーテンが開き……




マスクをした高津くんは、ベッドの淵に…座り直した。






「……何始めんの?」




「……聞いて欲しい。高津くんに。私の……気持ちを。」




「…………。うん。」








臆病になっていた私に…、



手を差し延べてくれた。




彼の気持ちに応えることはできないけれど……。



素直になる相手は……、あの人にだけではないわ。




高津くん、

あなたにも……。


大事なあなたにだからこそ、ちゃんと聞いて欲しいの。





嘘ひとつない、


初めての…、
誇りにしたい…この気持ちを。








「……私は、先生が好きです。」










言った側から……


顔から炎が出そうになった。




それをみた高津くんは、大いに笑って……






「………俺も。………なーんて、な。」



いつもの悪ノリ。