「……じゃあ、先生。送っていただき…ありがとうございました。」
我が家から少し手前の路地で車を停めてもらい、
(注:宏輔対策です)
助手席から降りると…
私はぺこり、と頭を下げた。
もうこの車に…、
特等席に座ることは…二度とないだろう。
きっと、もう既に……
誰か…、いえ、紺野先生のシートになっているのやもしれませんね。
「…………。」
……イケナイ、またつい……黒い感情が…!
馬鹿ね、一歩。貴方にはその資格は…ないのよ?
「……。あの……、申し訳ありませんが…」
「ん?」
「5分程、ここでお待ちいただけますか?」
「………?」
「お渡ししたいものが…あるんです。」
ここでちゃんと…ケジメを……!
「ん、わかった。」
「…かたじけない。では……、しばし、待たれよッ!」
くるりと踵を返して。
一目散に…走り出す。


