「……三船さん!」
突然……、名前を呼ばれて、私達は元来た道を…振り返る。
「………?紺野先生?」
「……悪いけど、高津くんの鞄持ってきてくれない?」
「……?なぜですか?」
「熱があるのよ。フラフラのくせに自分でとりにいくってきかないから…、今、仁志くんに縛りつけてもらったとこ。」
「「縛……っ?」」
どんな状況じゃ~?!
イケメン二人の危険な……、いえいえ、そんな妄想はやめましょう。
「…あなたたちのクラスの佐藤くんてインフルエンザでしょう?彼もその疑いあるから…、一応隔離。」
「…え。インフル?!」
そういや……昨日も休みだったわね。
日直仲間だったはずなのに。
「……それで…、高津くんは大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃないから頼んでるのよ。」
……高津くん……。
自分がそんな時に……、
私を気遣って?
「………。その任務、このワタクシめが遂行させていただきます!」
「…あら、そう?悪いわね。じゃあ…、保健室によろしく。」
「……はい、今すぐに!!莉奈ちゃん、カーディガンは風の抵抗になってしまうからお返しするわ。」
「…あ、ああ……。」
「……では!お先に!!」
「……行ってらっしゃ~い。」
莉奈ちゃんは、眉を下げて……見送ってくれた。
………ラブ!!
「………。太田さん。」
「……はい?」
「彼女はいつもあんな感じなの?」
「…はあ、まあ。……新鮮ですよね?」
「……そうねー。手こずるのもわかるわー。」
「………。『誰が』ですか?」
「……ん~?誰かしらね。」
「……………。」
「……不毛な恋をしたものね。」
「………。『どっちが』ですか?」
「……。ん~?どっちかしら。」
「……。紺野先生。」
「はい?」
「ニシハルの好きな人って………」
「……それは。本人に聞いてちょうだい?」
「教えてくれるでしょうか?」
「さあねー、彼、難しい人だから……。」
「…………。そうですね。確かに………。」


